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勉強が苦手な個性

 外来で話を伺っていると、勉強に関しての悩みをよく聞きます。

勉強に関しては、さまざまな価値観があります。

 中間テストで、70点取ったけど落ち込んでいる子。

 その理由を聞くと、

「お父さんから、平均80点以上取らないといい大学に行けないと言われた。だから80点以上取らなければいけなかったのに」

とうつむいています。

 また、勉強が苦手で学校に行けなくなっている子。

 なんで行けないか自分自身わからずにもがきます。

 最近、私は知能検査を本人に説明するときに、「勉強が苦手な個性」を話すようにしています。

「ななちゃんは、勉強が苦手な個性を持っている。

でも、その個性のおかげで得られるものもある。

何より、勉強の苦手な子の気持ちがわかる。

それが、やさしさにつながっていく。

また、世の中には、勉強が得意な個性を持っている子もいる。

でも、その個性のために大切なことを失っているものもある。

何より、勉強の苦手な子の気持ちがわからない。

それが、やさしさを失うことにつながっていく。

大人になってからの勉強は学校とは違う。

自分の仕事についての学びを重ねていくのが大人の勉強。

高校は自分に合った高校を選べばいい。

小中学校の勉強が一番大変。

色々なレベルの子がいるので、先生はどうしてもレベルの高い子を中心に考えてしまう。

学校の勉強が苦手でも、気にせずに小中学校を乗り切る方法を考えよう。」


その話を聞いて、ほっとしてくれる子がいます。

この前は、涙を流して聞いてくれた子がいました。


子どもはみんな大変です。

大人の価値観を押し付けないようにしたいものです。


(「“輪”を“和”でつなぐ-島はち診察室100のものがたり-」小沢浩著:クリエイツかもがわ)


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